第4章 苦渋の決断
数分前
「いい考えを思いついたぞ。」
『帰る方法でも思いつきましたか?』
私はイラついた口調で返答する。
「帰る方法は思いつかんが、いい方法だ。乗るかどうかはお前次第だが。」
『は?』
帰る方法じゃないのにいい方法?全く理解不能だ。
「俺がお前の恋人、いや、婚約者となってやろう。その代わり俺をここに住まわせろ。いい考えだろう?」
『………はあ!?』
いい考えというから一応聞いてみたが意味がわからない。そんなの王子側にしかいい事ないじゃないか。
「この交換条件を呑め。そうすれば、男は追い払ってやる。」
ちょいちょい命令口調なのがムカつく。でも、あいつを追い払えるのはかなりでかい。
そして、悩んだ末の苦渋の決断の結果今に至る。