第9章 9話
「1位のやつ、圧倒的じゃんか」
プロヒーロー席のある1人のヒーローが隣に話しかける
「“個性”の強さもあるが、それ以上に──────素の身体能力と判断力がズバ抜けてる」
彼の応答に応じて自らの考えを足を組み直して言った
「そりゃそうだろ
あの子フレイムヒーロー『エンデバー』の息子さんだよ」
「あぁ...どうりで!
オールマイトに次ぐトップ2の血か」
その発言に眉を片方上げ、驚いたふうにヒーローを見つめる
「いや、名簿表ちゃんと見たか?」
言われた方はなんの事だかさっぱり分かっていないようであった
しかし、ヒーローの勧めに従い今朝長い長い身体検査に並んだ際に配られた後また回収されるヒーロー専用名簿表に目を通す
「ん?...A組のをか?
ッ!!!
これはあのお方の?!」
名簿表に目を奪われたヒーローは相手と名簿表を交互に見つめる
「あぁ、おそらく...苗字、同じだしな
気づいているやつは今の段階では多くはないが、これからが問題だな
今年の票は固まるぞ...!!」
「今年の1年はほんとに不運だな...」
プロヒーローはサイドキックに来て欲しい生徒を2名までしか投票することが出来ない
そのため、毎年かなりバラける傾向がある
しかし今年は圧倒的な“血”がプロヒーローの心を奪っていった
(マイク)
『先頭が頭一つ抜けて下はダンゴ状態!
上位何名が予選通過するかは公表してねぇから安心せず突き進めー!!!!
そして早くも最終関門!!!
隠してその実態は────...
一面地雷原!!怒りのアフガンだ!!
地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ!脚と目酷使しろ!!
ちなみに地雷!威力は大したことねぇが音と見た目は派手だから失禁必須だぜ!!』
マイクの私情が挟みまくった放送に相澤がつっこむ
(相澤)
「人によるだろ...」