好きになってもいいですか。~声優さんと恋をしよう~
第6章 私は…
私は…
『私…っ』
やっぱり…
『梶さんが………
好きです………っ』
誰にも止められない
やっぱり大好きなんだ
この気持ちを認めてしまった以上
私は私でなくなるような…
「…素直になれば、楽になる
その気持ちをすぐ梶くんに言う必要はないよ
ただ…
その泣き顔で梶くんのところに返す訳にはいかないな」
そう言うと、森川さんは自分のスマホを取り出し
イヤフォンの片方を、私の耳に当てた
すると
♪~
『これって…』
私の大好きな曲が流れてくる
「梶くんの1stシングルの曲だよ
俺は疲れてる時、よく聴くんだ」
私は自然と目を閉じて
曲を心に刻み込む
━━君を好きになっちゃった
僕の負けだ━━━━………
歌詞が今の私の気持ちとリンクする
『好きに…』
「…少し落ち着いたか?」
森川さんは私の顔を覗きこむ
『はい、ありがとうございます
森川さんと会ってなければ、今頃ボロボロになってたかもしれないです…』
「そうか
でも、君は偉いよ
彼のために気持ちを封じていた
まだ若いのに…梶くんも困ったもんだ」
そう言って森川さんは微笑んだ