好きになってもいいですか。~声優さんと恋をしよう~
第5章 不安
私は見ていられなくなって
エレベーターのある方に向かって走った
『はあ、はあっ』
どうして出会ってしまったんだろう
どうしてこんな苦しい気持ちが生まれるんだろう
梶さんと離れないと…
そう考えると
胸が痛くなった
『ちがう…ちがう、これは…っ』
……恋じゃない
認めてはいけない
認めた時点で私は
きっと崩れてしまう
胸が苦しい…
私は思わず涙ぐんだ
『くっ…うぅ…っ』
私はすぐ側の会議室に入った
『う…っうう~っ…』
声を殺して泣いていた