好きになってもいいですか。~声優さんと恋をしよう~
第5章 不安
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「着きましたよ」
吉岡さんの言葉でハッとする
ボーッとしている間にいつの間にか着いていたようだ
「梢ちゃん、行くよー」
『はい!』
(うわーっすごい緊張する…!)
「私は一度事務所に戻らなければいけませんので、収録が終わりましたらご連絡をお願いします」
「わかった」
「それでは失礼します
美南さん、梶のことよろしくお願いいたします」
そう言って吉岡さんは再び車に乗り込み、事務所へと走っていった
「まったく、吉岡ってば僕のこと下に見すぎだし!」
『まあまあ、心配してくださってるんですよ』
「ん~…、とりあえず、スタジオに行こっか?ついでに、みんなにも梢ちゃんのこと紹介したいし」
『え!い、いや私は別に!』
「いいからいいから!」
自動ドアを通り、エレベーターに乗ってスタジオのある階を目指す
『…でも、私のこと、なんて紹介するんですか?梶さんに助けてもらいました、なんて言えないし…』
「じゃあ、従妹って言っとくよ
みんな納得するでしょ」
それで通用するか心配ではあるが
やってみるしかなさそうだ
チーン
目的の階に着き、おそるおそるエレベーターから出る
「スタジオはこの先だよ」
そう言って梶さんは長い廊下を進む
ここには、アフレコスタジオ以外にも
ダンスレッスンスタジオやトレーニングルームなど、様々な部屋があった