第15章 その瞳の燐光
「リアン!君が作った装置、効果がないじゃないか!」
「そ、そんな…」
「お前が作ったんじゃないのか?!」
部下に運ばせていた光景を見ていたため、シエルはすっかりこの装置はドルイットが作った物だと思っていた。
「私がこんなもの作れるわけがないだろう!ワタシ個人の判断で拝借したまでだ。」
「ギャーハハハ!!ヒッヒ〜〜〜〜!!!」
これは断じて拝借ではない。
キリッとした表情であくまでこれは“拝借だ”と主張するドルイットにマリアンヌは呆れ果て、アンダーテイカーはその横で転げ回りながら笑っている。
「貴様ッ!私を騙したのか!?」
ー貴様ー
リアンは誰に対して“貴様”と叫んだのだ?
セバスチャンが疑問に感じたが、せっかちなグレルはそんな事を気にも止めずにデスサイズを振り上げリアンに飛びかかった。
「とんだ茶番ネ!!」
装置が使い物にならないのなら全てを血に染めるのみ。
いかにもグレルの好みそうな発想だ。
周りの動く死体を蹴散らしリアンまで一直線に向かうとロナルドが叫んだ。
「やっぱスゲー…って先輩!!死神(オレら)は人間殺しちゃマズイって…!!」
仮にもグレルは謹慎明け。
また謹慎くらって自分の仕事量が増えるのは、もう御免だったロナルド。
しかし、もう間に合わない。
ーガキィィィィィィィン!!!ー
しかし、リアンがグレルのデスサイズに一刀両断される寸前、黒い何者かが飛び出しリアンを庇った。
「(ア、アンダーテイカーさん……!!)」
リアンを庇い、デスサイズの刃を背中にまわした薄くて長い木の板1枚で受け止めている。
「なっ………」
グレルのチェーンソー型のデスサイズの刃は、謹慎明けを喜んでるかの様に絶好調に回転しているのだ。
それなのにこの薄い板は何でも切れると言われているデスサイズの刃をキズ1つつけず受け止めている。
何が起きているのだ。