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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第14章 アウローラ学会






「んまっ!失礼しちゃうわね!!アタシだってアンタみたいなガキよりもっとイイ男としたかったワヨ!」



拷問の様に恥ずかしい事をさせられてこの言い草。

ロナルドの精神疲労はもうピークだ。



「イイ男って…」


そういえばグレルは謹慎をくらってウィルの残業に付き合ってる時、いつも“セバスちゃん”がどーのこーのと言っていた。


ロナルドは先程アウローラ学会の会場でその“セバスちゃん”と思われる害獣と会っていた。


しかしそんな事を言ったら最後、仕事をほっぽり出して会いに行くに違いない。

ここは黙っておく事にした。



「あん?何よ?」



「いえ。なんでも。」




「は〜あっ、アンタ相手じゃ全然盛り上がんないワ、やめやめ!」


「うーーーーーわっ…」


それはこっちの台詞である。


「つか先輩、マジでこんな事してる場合じゃないっスよ。ティム・ルーミス、1868年10月8日生まれ。1889年4月20日心臓麻痺により死亡。アラン・フォスター1817年8月21日生まれ。1889年4月20日心臓麻痺により死亡……こんな調子であと1034人の回収があるんスから…」


それに仕事はこれだけではない。


「本業のついでに動く死体についても調査しろとか、マジ人使い荒すぎってゆーか」


「ふん、その程度でピーピー言ってんじゃないワヨ。死神にとって魂の回収は絶対!調査なんか合間にちゃちゃっと済ませなさいな。」


謹慎明けの開放感からか今日のグレルはいつもより増して機嫌がいい上にテンションが高い。


「はぁ…謹慎くらっといてよく言えますね」


「るっさいわね!さっさと済ませて帰りまショ!ウィルに怒られながらの残業は悪くないケド、謹慎はもうゴメンだワ〜」


「いやぁ、俺はぶっちゃけ両方勘弁です。」



そう言うと2人は船内へと入っていった。


魂の回収も、動く死体の調査も、タイムリミットはこの船が沈没するまでだ。


はたして間に合うのだろうか。




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