Sapphire〈小悪魔系男子にご注意asobase?〉
第50章 告白④
カズside-談話室-
カズ『俺ね悔しくて仕方なかった……』
翔『悔しい?』
カズ『潤くんが翔ちゃん達と再会した時、俺高校2年だったから……』
俺ね、先に翔ちゃんを見つけたかった……
翔ちゃんにマタ逢う日を夢見てたから……
カズ「俺は翔ちゃんに、潤くんより先に逢いたかった。俺も潤くんも頻繁に会ってたわけじゃないけど。お世話になったのは事実で。翔ちゃんに逢うにはどうしたらいいか考えてた俺に『職業』というヒントをくれたのも潤くんだから、感謝してるけど『翔の場所教えようか?』って言われて『いい、大丈夫。俺いつか自分で見つけるから』って答えたんだ」
翔「潤さんはどうやって?」
カズ「翔ちゃん家の引っ越し先が、潤くんが勤務に着いた管轄の中に入ってたから」
翔「家庭調査表? みたいな事? それを見て?」
カズ「必然的に…… ね。交番勤務の潤くんがそれだけに頼ったわけじゃない。ちゃんと色々自分でも調べて」
翔「母が言ってました。引っ越すと言っても『誰も知らない人ばかりのトコへ、飛び込んで行く迄の勇気はなかった』ってせめてもの罪滅ぼしに、私達を合わせてはくれてたらしいですけど…… 潤さんが警察官になった頃には思春期を迎えて、それこそ必然的に会う事が無くなってったんです」
カズ「それは最近俺も聞いて驚いたんだ。ずっと連絡取ってるんだろうな…… って思ってたからさ。丁度同じ頃だな。俺も会わなくなったの。俺は話をしたらきっと翔ちゃんの居場所を聞きたくなる。自分で探すっていうモチベーションが……そ の為に必要な勉強している事全てが…… 無駄になってしまう! と思って。意地でも会わない! って決めたんだ」
翔「私は人に対する警戒心が強くなって。誰とも関わり合いを持ちたく無かった。だからそれもあって……」