第41章 ほっとける訳無いだろ?

　カズside

　ほっとける訳無いだろ？　

　外出先から戻ってきた翔ちゃん

　彼女は、本が大好きで、図書室でいつも楽しそうに本を選んでいるのを、たまに見掛けているんだ

　出逢いの場所も本屋の前……　だったしね

　翔『……けど、笑えてきちゃうんです。あ、やっと運が向いて来た!　とか良い事ありそう!　（あった）って時になると……　運が逃げていっちゃうんです……』

　カズ『そんな事……』


　もう!　それこそ、『そんな事』しか言ってあげられなくて……　

　俺は自分が情けなくて仕方なかったんだ

　俺、マジ、ストーカー？　って言われても仕方ない様な……　その場を離れるなんて出来なくてさ

　図書室から追い出された後、様子を見てたんだよね……　実は

　普段だったら、オイオイ気を付けてくれよ!　って位、自分の気持ちを独り言で呟いちゃう翔ちゃんに

　危機感抱いてたんだけど

　その時だけは、その癖が……　呟いた一言で何があったか……　だいたい分かちゃって


　カズ『お母さんに再会したのに逃げて来ちゃったんだね？』

　翔ちゃんの事言えないよ……　最近独り言が多くなって

　そん時に茉莉ちゃんがやって来て、俺に頷いてみせると


　不安だったんだね？　翔ちゃんは茉莉ちゃんに例の手紙の事を相談して……

　ゴメンなさい…… 俺です……

　勿論松本さんの許可を…… 頂いてます


　ー某所.夜ー

　カズ「謀ったように、手紙についての用事で来るとかさ……」

　潤「調べてた事と、その話題に触れたタイミングが合致しただけです!」

　カズ「やっぱり……　俺のせい……　か……」


　翔ちゃんがその手紙を受け取った時、丁度お父さん、お母さんの離婚と重なって……

　例の手紙は、封を開けられずにいた翔ちゃん

　園の子供達に『元気が無い』と聞かされ　……居ても立ってもいられなくて

　松本さんの許可を取って、手紙を拝借してコピー……


　綺麗に治したつもりでも……　そりゃバレますよね？　

　俺バカだ。更に不安煽ったんじゃねぇかな？　


　で、大野さんにも連絡して


　ほっとけるような内容じゃ無かったから

　松本さんに調べてもらって、俺も調べて……