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Sapphire〈小悪魔系男子にご注意asobase?〉

第40章 何で涙が出るの?


 翔sid

 ー園.図書室ー

(何で涙が出るの?)

 翔『これで二人とも、前を向いて頑張って行けるんじゃないですか?』

 二宮さんに言った事は、ホントに思ったから言ったのだし

 家が売りに出される事だって分かってたじゃない……

 ハァ

 顔を両手で覆って、思わず溜め息……


 いつもだったら、落ち着く空間.図書室。大抵の嫌な事は大好きな本を読めば……


 部屋で考え事するんだった……

 人の気配に顔をあげると


 二宮さん…… が心配そうに私を見詰めていて


 カズ「翔ちゃん? どうした? 泣いてる?」

 翔「泣いてないですよ?」


 私の座っている席の前、椅子に腰掛けると

 カズ「そう? でも…… 辛い時迄無理に笑おうとしたりしなくて良いから……」

 翔「……けど、笑えて来ちゃうんです。あ、やっと運が向いて来た! とか良い事がありそう! (あった)って時になると…… 運が逃げていっちゃうんです……」

 カズ「そんな事……」


 流石の二宮さんも言葉に窮したみたい……

 翔「……すみません二宮さん。今は一人で考えたい事があって……」

 カズ「……OK…… いつでも話聞くからね? 翔ちゃん」


 私は……

 頷くだけで精一杯で


 図書室から出て行く、二宮さんの後ろ姿を見詰めてた


 ある一通の手紙を見詰め…… 考えたのは……


 お母さんに抱き締めて欲しかった……

 翔『助けて……』

 って……


 お母さん? 智さんのオウチにお世話になっているの? 

 妃那ちゃん頑張ってる? 

 逢いたいな……

 私こんなに弱い人間だったの? 

 一人で生きていく! なんて強がり言わなくて良かった……










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