第23章 愛しい女の子なんだ…

　施設長『お金を払わないとは違う……でも気になるなら、貯めた生活費の中から……いつかここを卒業する時に……何かの形で少し。ね？』


　茉莉「も～皆!　ダメ……翔ちゃん怒りな!　『生活費?　謝りにきな!　施設?　助成金？　奨学金？　知らない!　私は考えてる!　心が付いてかないの!』って」


　スゲー女の子だ……


　確かに。ただ闇雲に『ここには住めない』って言ってる訳じゃなかった。俺達気持ちに寄り添う事もしないで。けど茉莉ちゃん……チョット騒がしい女の子かなーって思ってたけど。彼女にも色々事情がある訳で……

　誰よりも翔ちゃんの事を本気で……この子が良い友達になってくれればって……


　茉莉「私の友達なって下さい」

　翔「友達？」

　茉莉「友達!」


　翔ちゃんの大きく美しい瞳から……

　左目から綺麗な雫が流れて……


　カズ.茉莉「「泣いていいよ……」」


　茉莉ちゃんと言葉がカブっちゃったけど

　瞬間、堰を切ったように号泣して……

　俺は堪らずその細い華奢な身体を抱きしめて……


　カズ「大丈夫……一緒に頑張ろう？」

　コクっ

　って……


　その時は頷いた翔ちゃんの悲しみ

　どれかだけ深かったのか……


　施設に来てくれた、リハビリの木田先生｡今後のリハビリ内容等の話した後


　もう意地になってピアノを弾こうと……

　けどやっぱりうまく弾けなくて……


　カズ「焦らずユックリ……ね？」


　涙するキミ……


　翔ちゃん……

　笑顔最近見てないよ？