第72章 父の決意

　カズside

　完璧二人の世界……

　俺はちょっと呆れつつ、親父さんの方を見る

　妃那さんの様子を見て……　きっと寂しいって感じかな？　

　表情がさ……　で、不意に翔ちゃんと目が合っちゃったみたいで

　翔ちゃんの瞳から涙一滴零れて

　でも。親父さんと目が合った瞬間、キリッとした表情に変わって


　翔「1年以上も前から、貴方が限界なのかな？　って感じてたのに……　私達家族四人。皆で、きちんと思いを伝え合わなかった事が……　今思うと……　私も将来は、家庭で恵まれない子達の為に、児童施設の職員なりたい。という夢を抱きました。だから心配ありません」

　そう言うと翔ちゃん

　堪え切れずに泣いちゃって


　父「良かった……　私が言える立場では無いが、安心しました。私は先ずは体を治して。ここの職員の方に良くして頂いて、いつか恩返しが出来たら。私も、この施設の人達の、サポートをする側に回れるようなりたいと……　考えています」

　翔「今、素直に頑張って欲しいと思っています。もう少し時間が経ったら、再び会えた時、お互いに良い報告し合って……　楽しく話を出来たら……　その日を夢見て頑張っていこうと思います。今日はありがとうございました」

　父「ありがとうございました。妃那、翔。本当にごめんなさい。妃那。お前傷つけて……本当にごめんなさい。智くんと幸せになる事を心から祈っています。今日は会う事を承諾してくれて本当にありがとう」



　妃那さんは何も言わなかったけど……　ちっちゃく頷いて

　翔ちゃんの表情もようやく和らいで


　カズ「二宮和也です。必ず翔さんを幸せにします」