第70章 俺は貴女を守り抜く

　翔side

　私と妃那ちゃん、二宮さんと智さんの話しているの聞いてたんだけど……

　ナンカ……　言ってる事……　良く分かんないや……


　カズside

　カズ「ゴメン……　大野さんの事、案外冷静なんだなって見てて。そうだよね？　んな訳無いもんね……」

　大野さん。翔ちゃんと妃那さんを見て静かに泣いてんの

　智「翔ちゃんも……　二宮くんも知っての通り、言葉に出して気持ちを吐き出す事で、気持ちの整理付けてんだけど。許容範囲を超えた時、何も話さなくなるんだ…… 子供の時から……　俺、気が回る方じゃなかったから、今になって『こうしてあげれば良かった』『あーしてあげれば良かった』って後悔だらけ。けど、二宮くんなら……　翔ちゃんの気持ちを汲む事が出来るはず……　だから」


　大野さんの本気が分かったんだ……

　だって『オイラ』では無く『俺』って

　一人称がさ


　そして大野さんは


　智「俺は、全力で妃那ちゃんを守り抜く!」

　と


　やっぱりね？　そうなんだ

　翔ちゃん……　前にさ


　翔『二宮さんこそおバカ……　私の為に二宮さんが傷つけられて欲しく無いです……』

　そう言ったよね？　


　不器用で優しい翔ちゃん……

　人間、誰しも

　人を『信じたい』『信用したい』って思うのは当然だもんね？　

　けど、信じる事が出来なて無くて、そんな自分がイヤで……

　自分の殻に閉じ籠る事で、自分を守ってたんだね？　


　そして『誰かを守りたい』と思った時

　自分の一言で、間違って伝わるのがイヤだから

　自分の主観で、物を言うのがイヤだから

　逃げ出す事で、相手を守って……

　きっと、何人もの人と『仲良くなりたい!」と思っても

　きっと……　諦めてきたんだろうね？　



　それを、見事に突破して仲良くなったのが

　茉莉ちゃんで

　悠紀香ちゃん、理人、美苗ちゃん、洋輝、孝次……

　翔『私頼られたの!』


　嬉しそうに笑った翔ちゃん

　皆も、翔ちゃんの泣き顔より

『笑顔が見たい!』

　って思ってるんだよ？　


　カズ「俺は、全力で翔ちゃんを守り抜く!」