Sapphire〈小悪魔系男子にご注意asobase?〉
第65章 鈍感ちゃん
カズside
翔ちゃん…… 茉莉ちゃんと話終わったのか
二人してリビングに戻ってきたんだけど
二人とも微笑んではいるけれど
(目が赤い泣いたのか?)
翔「二宮さん」
二宮「へ?」
不意に名前を呼ばれて変な声出ちゃったよ
翔「お話ししたい事あるから、談話室に来て下さいますか?」
カズ「分かった……」
ー談話室ー
カズ「翔ちゃんは飲まないの?」
俺にブラックコーヒーを入れてくれたけど、翔ちゃんの分がなくて
翔「さっき茉莉ちゃんと飲んだから」
カズ「そっか……」
翔「二人がやっと心を通わせて嬉しい……だって……」
カズ「ぇ? 分かってたの?」
翔「はい。孝次くんが、茉莉ちゃん好きなのは分かりましたしね『誰が好き』っていう話の時、凄く苦しそうな表情を一瞬浮かべたんです。孝次くん。嘘を言って直ぐに後悔したと思うんです。それにさっき茉莉ちゃんに謝られて。後で孝次くんからもって、言うから、そんな事気にしてないよ。って言ったんです」
ま、ね。『誰が好き』の時の孝次の表情
俺も"あれ"って感じたしね
それにしても……翔ちゃん自分のこと以外はさ、鋭く判断する癖にさ
カズ「鈍感ちゃん……」
と言うより
自分にびっくりするほど自信なくて。自己評価の低い子で『自分に好意を寄せる人間は居ない』とか極端に考えてた子だからな
翔「鈍感ちゃん?」
翔ちゃんがムッてしたのが分かる
ヤベ
そりゃ、俺だって孝次と茉莉ちゃんの事は喜んでるよ?
けれど……俺としては、ようやく想いを通わせて
伝え合ったんだもん
これからの二人の事を話し合いたいな……ナンテ