第62章 人を好きになる感情

　カズside

　孝次「ホントばかみたいだ。折角相葉センセの事見直し掛けたのに……」

　カズ「まぁまぁ。そこがさあの人の良いとこじゃん？　許してやってよ。俺のさ話も聞いてくれたし、あれほど生徒思いの先生も珍しいんだから」

　孝次「まあね…… 詳しく聞いた訳じゃないよ。翔ちゃんとカズさんのさ、運命的な出逢いの話教えてくれて…… 人を好きになる感情みたいなの？　教えてくれたのは相葉センセだし……」

　カズ「うん……」

　孝次「俺さ、相葉センセや、カズさん、翔ちゃんが園に来る前から……茉莉ちゃんより2歳下な事をさ、茉莉ちゃん自身に指摘されたり。ナンデ年下なんだろうって思って来たんだ」

　カズ「うん……」

　孝次「翔ちゃんがさ、園に来た時さ『寂しくないもん』って。寂しい癖にさ『強がったりするなよ』って。その癖、人に対して優しい翔ちゃんが気になったのはホント……」


　カズ（……）


　孝次「茉莉ちゃんもさ、一見、面倒見が良かったり明るく見えるけどさ、やっぱりご両親離婚したりとかしてさ、すごく傷ついている女の子なの。ホントは繊細なんだ…… 何回か一人で隠れて泣いてるの見ちゃったことあってさ。俺が支えてあげたいんだ」

　カズ「うん……」

　孝次「『誰が好き』って話題になった時さ、俺茉莉ちゃんが少しは俺の事考えてくれんじゃねぇか？　……って安易な気持ちで『翔ちゃんが好き』って。それって、翔ちゃんにも失礼だし、茉莉ちゃんにも。それに、カズさんの翔ちゃんを思う強い気持ち凄げぇー分かってんのに……本当あの時はゴメンなさい……」

　カズ「孝次…… 俺も偉そうな事言えないけど、一度好きになったらもう……人を好きになる感情は自分ではコントロール出来ない時あるもんな？　茉莉ちゃんの事頑張れ!　しか言ってあげられないけど頑張れよ!」

　孝次「さっきさ、茉莉ちゃんが、翔ちゃんに俺の事で話がある。って言ってたじゃん。怖いけど…… 俺もう逃げないで茉莉ちゃんと向き合うんだ」


　孝次もさ、初めて逢った時はクールというか生意気な奴だって思ったりもしたけど

　色々彼も傷ついた事もいっぱい経験したんだろうね……


　子供達もさ


　ホント皆優しいし、可愛い子達だよね