Garnet 真恋 ~初恋と宝石Ⅲ~ Kazu.N
第88章 珠ちゃんの涙
翔side
二宮さんの実家から、園に戻る車中抱きしめられて
カズ『運命の女の子……』
そしてさっきは
カズ『俺の彼女になって下さい』
ガラっと状況が180度変わって、二宮さんの事考えても良いんだって思っちゃった時から……
夜眠る前、まぶたを閉じる前に浮かんで来るその顔は……
仕事や子供達の対応が納得出来なかった時…… 『大丈夫』って言って欲しいって
そう思っちゃう人は……
二宮さんが浮かんで来るの……
さっき言ったばかりじゃない。珠ちゃんの事が落ち着いたら考えるって
出掛けてる間に、珠ちゃん何があったの?
子供達…… 自分達まで泣きそうになってる筈だよ。流石に子供達の前で泣かない様にって、目を冷やして、見た目に分からない様にしたみたいだけど……
子供達が寝静まって、私の部屋で麗佳ちゃんも交えて話をしてるんだけど
見るのも辛くなる様な……
麗佳「珠稀ちゃん…… 冷やすと痛いかな?」
ホットタオルを作ってくれた麗佳ちゃん。珠ちゃんそれを受け取って目の上に置くと……
珠稀「ありがとう、ゴメンね……」
翔「相葉さんと喧嘩したんだって? 聞いてもいい?」
麗佳「ゆっくりでいいよ」
珠稀「相葉さんが私を思ってくれればくれる程…… 我慢してもらってるのが辛くて…… この先ずっと…… あり得ないでしょ? 良い所なのに…… けれどあの爽やかな感じで『気にしなくて大丈夫だよ』って言われると、そんな事ずっと…… なんてこの先絶対に。子供が欲しいと思うようになるもんっ。一歩踏み出す勇気が欲しいのに『そんな綺麗事今だけよっ』て言っちゃって」
珠ちゃんがお父さんから受けた仕打ち、彼女の心に大きな傷を残して……
本当にどうしてあげたらいいのか分からなくて……
麗佳ちゃんと私は、軽はずみな事言わない様にって…… 珠ちゃんの話をずっと聞いてたの