Garnet 真恋 ~初恋と宝石Ⅲ~ Kazu.N
第87章 今も考えてるんですけど…
ー園ー
カズ「ただいまー!」
翔「ただいま……」
そのテンションは…… 翔ちゃん……
颯汰「大丈夫だったんだろ?」
夕食時、皆の物言いたげな視線が痛い……
(全く颯汰が…… 同い年とかじゃなくてホントに良かった。ライバルだったらもう…… 俺)
翔「楽しかったよ。凄く良くしてもらって。でね、皆にお土産って二宮さんのお母様の手作りのチーズケーキ頂いたの。皆で食べて下さいって」
おやつとかね、大体時間決まってるからホントは余り…… ね?
相田 「本当はダメなんだけど、特別ちょびっとずつな! 明日のおやつの時は沢山切ってあげるからね!」
調理師の相田さんさすがですね。彼もチーズケーキ得意なのに『違う味付けで美味しかったですよ。今度、どんなレシピかお聞きしたいですね』
って…… ここの職員さん達の懐の深さホントに頭が下がる
本当にちょびっとだけ、チーズケーキを貰ったた割にはテンション上がらない子供達
吉川「珠稀ちゃんと相葉さん、喧嘩したみたい。それで皆…… 帰ってきた時の翔ちゃんの表情も優れなかったのを見て…… 尚更……」
そういえば、自分の事ばっかで気付かなかった……
確かにいつも食事中とか、少し黙れよと思う位煩い相葉さんが…… 静か……
話してくれた吉川先生は、翔ちゃんと珠稀ちゃんの一つ年上。時田先生が翔ちゃんを好きだった時は、少し距離を置いてたらしいけど
今では翔ちゃん、珠稀ちゃん、吉川先生と三人で恋愛相談とかして、仲良くなったらしいんだ
カズ「ありがとう。麗佳ちゃん」
俺自身、他の職員さん達とも仲良くなって他人行儀なのが嫌だから、下の名前で呼ぶように…… ちょっとポッと…… でも、彼女の時田先生に対しての尽くし方『ここの女の子達は! 不器用だな! 揃いも揃って!』って感じだから
俺としては頑張れって応援してるの
ー談話室ー
カズ「俺の彼女に…… なって下ださい」
途端に瞳を潤せた翔ちゃん……
翔「珠ちゃん落ち着いたら…… 考え…… 今も考えてるんですけど……」
カズ「今? ぇ? 翔ちゃん?」