Garnet 真恋 ~初恋と宝石Ⅲ~ Kazu.N
第62章 悪くないよ、知抄ちゃんと奏汰くんは
知抄「いいの。その後、私達みんな結構家に遊びに行ったりしていたの。そこにね、もう一人一番上のお兄さんが居て……」
奏汰「俺と同い年のそいつがさ、弟にあるもの持って来させて……妹にはさ……」
知抄「飼っていた犬の水入れの器に、お塩を入れろって……」
カズ「塩 ? なんで?」
知抄「一杯じゃなくて。ほんのー摘まみ」
奏汰「そこのお母さんさ、俺達『親がいなかったりで注目されたいから、無い事をみんなに言いふらすよう子たちなのよ』って言われたんだ。その事をバラされたから。俺が『相談しよう? って』知抄に……知抄は悪くないんだ」
知抄「奏汰くんも悪くないよ。私が……そのお家壊しちゃったの。だって……」
カズ「児童相談所に報告したんだね?」
翔「チョー先生も、思う所あって様子を見てたんですけど、その事で決断されたみたいで『知抄ちゃん、奏汰くんのせいでは無いですよ』と……でもその家の問題が浮き彫りに……旦那さんと不仲で振り向いてもらう為に……子供達に過剰なスキンシップ……旦那さんが家で食事をする時などに、ほんの少しお塩やお砂糖とか、それでも旦那さんも顔色も変えず飲み込むようして全部食べた……と」
知抄「チョー先生が『その子たちは児童施設に入る事に。二人は正しい事をしたんです』って……彼らみなで、治さなければならない病なんです。お父さんは、奥さん、子供たちに目を向けず、お母さんは不安、悲しさから子供たちに……女の子は不安、恐怖からか、知抄ちゃんに向けて同じ事を……犬の水に塩入れたのも真似……一番上のお兄さんは、日頃お父さんがお母さんに対する態度を。弟妹たちに……って」
奏汰「知抄はホントは、ハキハキした女の子だったのに……」
翔「そうだね……」