Garnet 真恋 ~初恋と宝石Ⅲ~ Kazu.N
第56章 もう…イヤなの人を信じて裏切られるのは…
ーコンッコンッ! ー
派手なノックの音と共に
返事を返す前に開いた扉の外……
翔「二宮さん?」
え? 二宮さんと一緒にいたのは……
翔「知抄ちゃん? 奏汰くん……」
珠稀「翔ちゃん、二宮さんときちんと話し合うんだよ? 知抄ちゃん、お話聞くの私でいい?」
知抄「……」
知抄ちゃんは頷いたけど……声も出ないくらい不安なんだね?
奏汰「お願いします。冷静な珠ちゃんに聞いてもらいたい」
珠稀「……全く貴方達兄弟は……可愛いげがないくせに、女の子にモテるとかさ! 分からない! ……二宮さん、翔ちゃんの事理解して守れるのは……貴方だけだと思っています。どうか頑なな心を溶かしてあげて下さい。私は二宮さんの事を信じてますから! 翔ちゃんをお願いします。知抄ちゃん、私の部屋で話しよう? 大丈夫! 怖い事なんか無いんだからね?」
奏汰「俺もいるしな!」
珠稀「奏汰くんが一番心配!」
奏汰「何で?」
珠稀「さぁ?」
冷静な珠ちゃんに……か
正解だよ奏汰くん……
知抄ちゃんゴメンね……
努めて明るく、フザケ合いながら出ていった二人と……知抄ちゃん
二宮さんは私の隣に座ると……
カズ「ありがたいね?? 珠稀ちゃんも、奏汰くんも……知抄ちゃんが大変な時にゴメンね。翔ちゃん? 顔が見えない方が……本音で話せるだろ?」
逢いに……来てくれたんですか? 二宮さん……
カズ「今、逃したら後悔するから……いつか来る別れ……より俺を信じてよ。翔ちゃん……」
やっぱり……
聞かれてたんだ……二宮さんに……
翔「皆、離れて行ったじゃない……もう……イヤなの人を信じて裏切られるのは……」
泣きたく無いのに涙が止まらないの……