Moonstone キミはキミだよ【Kazu.N】
第37章 生きる上で直面する事
カズside
翔「『俺と出逢えて幸せっ!』って思わせてみせる! なんで? 二宮センパイが? え? なんで私なんか……」
カズ「翔ちゃん? なんか……グルグル考えてる? 心の声ダダモレだけど?」
智「二宮くん、翔ちゃんは感も良くて頭もいいんだけど、事恋愛に関してだけは、鈍感ちゃんだから頑張れよ!」
(悪い顔してるしゆなちゃんも)
カズ「成る程。分かる気がします」
翔「鈍感ちゃん? ん? まいっか……何か大事な事聞いてない気がする!」
カズ「いいんかい?」
翔「あの、大事なこと聞いてない気がします!」
(スルーした。一番大事な事だよ! 『俺と出逢ぇて幸せっ!』って思わせてみせるって! ……ま。おいおいね頑張りますよ。覚悟して翔ちゃん……)
カズ「でも。本当だ大野さん、なぜ貴弘さんは翔ちゃんを、娘だって認識は前にあるって……」
智「正確には、認識がある時とない時がある。金曜日は貴弘さんの中で、本当は、翔ちゃんは2003年の1月25日生まれなんだけど、2016年1月25日生まれの2才4ヶ月なんだ。自分の方が入院中で早く治さなきゃと思っている。去年は2015年1月25生まれ。とにかく2才なんだ。他の日は、紗菜さんは居ない。自分は入院中。翔ちゃんは15才? 2才? 認識の狭間であやふや……」
カズ「翔ちゃんが、親戚の言う事を律儀に果たしているうちに?」
智「そう……この前、在宅仕事の為通信教育をって話したけど。金曜日は、妻と娘の為在宅仕事を。普段は翔ゃんの為に、父子家庭だから在宅仕事をって。少しでも長くいられるように。って、頑張る日と、ただボンヤリしている日。日によって違うんだ。翔ちゃんが来るようになってからだよ。人らしい感情を取り戻したのは」
(翔ちゃんの瞳が揺れている)
カズ「金曜日会いに来る人=紗菜さんか」
智「誰もこの矛盾を正そうとはしなかった。5年もね」
カズ「大野さんは正そうとしたけど聞いてはもらえなかった」
智「そういう事」
大野さんはなぜ正せなかったか? 親戚とは違う要因を話てくれたんだけど。悔しかっただろうな……そう思ったんだ。翔ちゃんを助けてあげたかったのにね。大野さんを責められないよ。未成年者と違う社会人が直面する事……生きてく上で直面する事……なんだろうねきっと