Moonstone キミはキミだよ【Kazu.N】
第122章 お互い様良く頑張ったね
カズside
翔の部屋
カズ「翔ちゃん、そんなに泣いちゃったらさ、目が痛くなるしさ、瞼が腫れちゃうよ」
そうは言ったけどさ、俺も涙が出そうなの必死に堪えてるんだけどね
翔「カズセンパイ、ゴメンなさい……」
カズ「翔ちゃん? なんでゴメンなさい?」
ゴメンなさい。って何が翔ちゃん?
目の前の可愛い女の子は、涙が止まらないみたいで、ずっと涙を流してるの
心配になるくらいに……
俺がさ、もうちょっとキチンと翔ちゃんの話を聞いてあげたりしなきゃなんないんだろうけどさ…… 俺自身が、久し振りに逢えた嬉しさで凄いテンパっちゃってて
翔「自分から暫く『距離を置きましょ』って言ったのにすぐ後悔して……」
カズ「『俺も距離を置こう?』って言ったんだから、気にすることないよ? 俺もカッコ付けて後悔したけどね……」
翔「カズセンパイの方が、慣れない環境で大変なんだからって思う傍から。カズセンパイと出逢えた事が夢なんじゃないか? 現実から逃れるために、長い夢の中に居るんじゃないか? とか馬鹿みたいな事思ったり……」
カズ「翔ちゃんだって、専門学校に通いだしたり、今までの生活とガラッと変わってさ、親戚の皆さんとの付き合いとか。色々大変な事が増えたじゃない? それじゃあ…… 『お互い様良く頑張ったねって』事で! 本当に、感謝してるんだよ? こんな風に、自分から距離を作っちゃった親との関係を、兄との関係を、見直すきっかけをくれたのは翔ちゃんなの。もっと、自分に自信を持ちなさいよ! ありがとう翔ちゃん」
俺の言い方がおかしかったのか、微かに微笑んでくれた翔ちゃん
カズ「翔ちゃん、床に座っちゃったけどさ、足とか痛くない? 大丈夫? ソファーに腰掛け直さない? てか、俺の部屋じゃないけどさ(笑)」
翔「うん。この感じ間違いなくカズセンパイだ…… 夢にまで見た」