Orange Topaz~初恋と宝石~【kazu.N】
第70章 何勝手に決めてんの③~K~.~苺~
のんside
カズ「何勝手に決めてんの?」
そう言いながらカズくんの瞳はいつもどおり優しくって……
私の気持ちを『邪魔することなく聞きたい』
そんな風に言ってくれて……こんなにも幸せなのに……
幸せだからこそ……怖くなる事もあるんだね?
のん「手術の前と後、『子供は大丈夫ですよ』って言われて凄く幸せだった……」
カズ「うん」
のん「いつだっけ? 2月の半ば頃かな……兄ぃ達が、色々な検査してやっぱり『子供を産むには母子ともに危険だから』……って『頼むから私に生きで欲しい』って『子供も……やっぱり出来にくい体だ』って言われて……」
カズside
今の話……俺もアパートで聞き出した話……思い出すだけて、はらわたが煮えくり返る!
だってそうでしょ? 松岡先生にも確認したら
松岡『そんなこと一言も言ってない!』
って言うしさ
のんちゃんの気持ち考えたのかよ? ヤマト.タケルの奴!
いくら妹大事たって! それ言われた時の絶望想像できなかったのか?
カズ『溺愛とかそういうレベルじゃねぇよ! .それ言われてのんちゃんがどれほど苦しんだか!』
ヤマト.タケル『すまない……』
カズ『ヤマトは医者だろ? タケルは心理カウンセラー! 人を助ける側の人間が、人を追い詰めてどうすんだよ?!』
あの時俺は……もう感情が抑えられなくて……
怒り狂ったの覚えてる
亜子ちゃんと、結衣ちゃんに怒りに任せて
カズ『悪いけど……すげぇ自分勝手なヤツと一緒になったね』
って……ついね……酷い事言って……
少し冷静になった時に謝ったら
亜子『いんです! 二宮さんのお気持ち分かりますから! 本当に愛想が……』
結衣『二宮さん! 本当にゴメンナサイ……私からキツく言っておきますから!』
却って謝らせちゃうしさ……
けどヤマト.タケルのやつ愛想尽かされないで……
本当良い子達だよね