第2章 【裏】気のままに/海
「束間は物知りだな」
「え、なんで? 私は可愛い女の子とお近づきになりたいだけだよ?」
「は!? お前まさか詩菜と話したのか!?」
「今どうデートに誘うか作戦練ってるなう」
「なんでだよ!?」
「あ、クロは鈴ちゃんと話させてくれたよ? その間ずっとクロが鈴ちゃん抱っこしてけど」
マネージャーだからというより、束間の場合は本当に黒尾の彼女とも夜久の彼女ともお近づきになりたいからなにかと情報集めてるんだろうな。女の子はみんな可愛いって豪語してるくらいだし。
「海、よく束間と付き合えるな?」
「楽しいぞ? 色々話せるし」
「ほんと? 私ものぶといるの楽しいっ」
ほら、こんなに嬉しそうに笑うところも可愛いだろ?
俺は束間の笑顔に惚れてしまったから、束間が嬉しいと俺も嬉しく思うのだ。
「あー、もう、じゃあまた明日な」
夜久と駅で分かれて、俺と束間はまだ時間もあるからと俺の家でのんびりすることにした。
「で、結局のところ黒尾と夜久の彼女とはどうなってるんだ?」
「3人でLINEグループ作ってます!」
気になってたことを聞いてみると、どうやら既にコンプリートしていたようだ。
「2人とも結構話しやすい子たちでね、今度女子会する約束してるの」
「そっか、楽しんで来いよ」
「うんっ、クロとやっくんの弱みも聞いてくる!」
「……」
まあ、束間のやりたいことだし、見守っておこう。
「あ、のぶにもわかったら教えるね」
「気長に待っておくよ」
「うん」
束間が俺の身体にくっついてきた。だが、俺も男であるわけで……
「束間」
「んー?」
「キスしていいか?」
「いいよ?」
彼女と二人きりの部屋で何もしないわけはないだろう。
束間と向き合ってキスをした。
「…もっとしたい」
「いいよ」
元々部活もあってなかなか2人で一緒にいる時間が少ないからこういう恋人っぽいことを束間がしたいのは知ってるからそのままキスを何度もしていたら俺もだけど、束間も自分から求めてくれる。