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猫恋

第2章 【裏】気のままに/海


「ねぇ、のぶー」
「どうした、束間」
「エロ本見つけたー。のぶはどの子が好み?」

 部活は休みだけど、3年は練習試合の予定とか練習メニューの確認を監督たちとするために部室に集まっていた。黒尾と夜久はまだHRが終わってないみたいでまだ来ていないので、俺とマネージャーで彼女でもある束間は部室で全員が揃うのを待っていた。

「束間の好みの子はいたのか?」
「身体のラインが好みの子はいたんだけど、顔が綺麗すぎて眩しかった…」
「そうか、当たりでよかったな」
「で、のぶのタイプは?」
「俺は束間がタイプなんだけどな」
「んー、私かぁ…胸そんなに大きくないし、肌も白くないよ?」

 その間に束間が部室に置いてる雑誌を見ていたらどこから出て来たのか如何わし気な雑誌があった。束間はどちらかというとこういう雑誌が嫌いではなく、むしろ見て楽しみたい方らしい。なのでたまに男子の下世話な話にも普通に入っては山本たちを驚かせている。

「俺は束間がいいんだよ」
「そんなこと言ってくれるの、のぶくらいだよ?」

 耳が赤くなってるのは照れてる証拠だ。自分が褒められるのは慣れてないのだろう。でも、そんなところにも俺は惚れているのだ。

「お疲れー、悪い待たせたな」
「お疲れさん」

 黒尾と夜久に続いてほどなくして監督が来て、色々と話し込んでから俺たちは部室から出た。

「終わったー。今日はこのあとみんな何かあるの?」
「俺、お花摘んでくるわー」
「は?」
「?」
「無理やり摘んじゃだめだよー」

 如月の質問に黒尾は校門とは別の方向へ行ってしまった。最初はなんのことかわからなかったが、束間の応答を聞いてから気づいた。黒尾は恐らく彼女のところに向かったのだろう。たしか黒尾と違っておとなしそうな子だ。クラスは違うのでよく知らないが、黒尾と一緒にいるのを見かけたことがある。

「やっくんは? 彼女ちゃんと約束してたりするの?」
「あのなぁ…俺だってそんな約束あったらとっくに行ってるっての…」
「あー…向こうは今日バイト?」
「いや、もう友達と先約があるってよ」
「あらら、どんまい」

 夜久の彼女は隣のクラスだがどちらかというとクールっぽい感じだ。こちらも話したことがないからどうともい言えないが…
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