• テキストサイズ

誘華

第1章 鬼龍/攻防戦


「はぁ…なんでこう無理やりとか極道とかばっかなんだ…」
「そういうのが似合うからだろ。俺など教師ものばかりだぞ」
「しかし、お二方共、ビデオの売行きは上々であろう?」
「神崎もだろ」

 事務所でそれぞれ企画書を見ながら仕事の愚痴を零すのはいつものことだ。

「同い年とはいえ今日は見た目がロリなんだよな…」
「…鬼龍、束間と仕事か」
「知ってんのか?」
「前に一緒にしたことがある。教師と生徒ものだったがな」
「なんか癖とかあるか?」

 俺たちの場合、ぶっちゃけ男とも女ともするのだが、大抵女とが多い。男とやるにしても俺はタチばかりだが、蓮巳や神崎はそれなりにネコもしている。2人とも綺麗だからわかるんだけどな。
 だから相手がどんな奴か知っておくのとしないのとでは仕事のやりやすさは違う。

「束間は動きとかはそれとなく雰囲気に合わせて乗ってくれるからやりやすいぞ。ただ、感じさせられてるかわかりづらいな」
「どういうことだ?」
「感じてはいると思うんだが、イかせるにあたって決定打がない感じだな。だが、仕事には真面目な奴だし、問題ないだろう」

 今回俺の相手役をするのは同じ事務所で同い年でありながら、いわゆるロリ系の女だ。俺よりも40cmも低い奴だ。それなりに人気も上がっている女優みたいだが、蓮巳の説明にもいくつか気になることがあった。つまり、演技派な奴ってことか?

「まあ、なんとかなるだろう。それじゃあ、俺はこれから撮影だから行く」
「蓮巳殿、今日も教師ものか?」
「いや、セールスマンで1人暮らしの女性相手ものだ」
「襲う奴か。珍しいな、旦那にしては…」
「相手役が相手役だからな…」
「誰だよ?」
「深風菜子だ…」
「あぁ…深風な。あいつのやることは男泣かせだからな」
「たしかに…深風殿の口淫は恐ろしかった…」
「……いってくる」

 蓮巳を見送ると、俺も神崎も撮影に向かうために企画書を片付けた。
 仕事だから別に楽しんでというわけにはいかないが、せめて相手を気持ちよくさせれたらと思う。まあ、相性もあるんだろうけどな……
/ 30ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp