第2章 鬼龍+蓮巳/両手に華
あれからしばらくして、俺と束間は同棲を始めた。お互いAVの仕事のこともあって外で会う時間も限られているし、どうせならばということでそうした。
「ただいま…」
「おかえり、だいぶ疲れてんな?」
「一日中、撮影で…神崎くんが元気すぎて…」
俺の方が早く帰ってきたから夕飯の支度をして待っていれば、束間はふらついた足取りで帰ってきた。玄関まで迎えに行ってやると、靴を脱いで上がるや否や俺にもたれ掛かった。
「あー…神崎は超絶倫だからな…」
「なんかいくタイミングも逸れたりしちゃって…」
「だからふらついてでも帰ってこれたのか」
束間は絶頂すればするほど敏感になり、その分体力が減る。女なら当たり前ではあるが、束間は特に感じやすいから撮影が終わる頃には足腰が動けない時が多々ある。
つまり、絶頂の頻度が少ないほどそれなりに体力が残った状態となる。今回の仕事相手である神崎はやり手で体力がある分絶頂させた数は多い。普通ならば束間は動けない状態になるだろうが、同棲を始めてから俺と何度も身体を重ねてきたためか自分より体力のある相手との行為にコツを掴んで最初に一緒に仕事をして以降足腰はなんとか持ちこたえていた。
「でも、いったんだろ?」
「ひゃっ」
「神崎に容赦なく弄ばれて、気持ちよかったろ?」