第3章 ○曜日
一生友達でいよう。
それは俺の宣言であり、美咲との約束だ。
本気で好きになっては必ず面倒が生じる。
俺が苦しむ、美咲が彼氏と別れる、どうにか付き合えたとしても上手くいかないだろう。
美咲は俺と付き合ってもきっと浮気する。もう癖みたいなもんだ。
そして俺はその浮気に対して「最低な奴だ」と自分の事を棚に上げて罵るんだ。
「普段は友達として交友を深め、時にセックスという快楽を共有する、それだけの関係でいる事。」
つまりは付き合わない、本気で愛し合わない、相手のやる事に口を出さない。
その暗黙の約束があるからこそ、美咲は俺の相手をしてくれるし、俺も安心して美咲に甘えられるんだ。
・・・違う。そんなのまやかしだ。
美咲が悪い女だとか、友達でいる方が上手くいくとか、頭では分かっているさ。
でも心は疑問を感じているんだろう?
本当は愛されたいんだ。
誰よりも愛している人から愛されたいんだ。
誰かのナンバーワンでいたい。誰かのオンリーワンでいたい。
初めて恋してから、もう3年間それだけを思い続けて来た。
他にいい女の子がいないかも探したけど、俺なんかには誰も寄って来ないから。
少なからず今の俺には、美咲しかいないんだよ。