第1章 先輩後輩
眩い光の中、お父さんと一緒に一歩一歩幸せを噛みしめて歩く君。
出会った頃の君は、まだ幼さが残る女の子だった。
ー数年前ー
「千ちゃん先輩!」
健永「お、今日も相変わらず元気だねぇ」
1つ下のは、誰からも好かれる元気な女の子。
がその場にいるだけで、周りのみんなも元気になる気がした。
同級生「おい千賀、次の大会の準備出来てるのか?」
健永「まぁ、ぼちぼち」
同級生「そんなのんびりしてて、間にあうのか?」
健永「何とかなるでしょ」
俺の生きがいはダンス。
ダンスを踊ってる時だけは、唯一本当の自分になれる気がしてた。
けど最近は、他に気になる事ができた。
「千ちゃん先輩なら大丈夫ですって!」
同級生「ちゃんのその大丈夫は、大丈夫じゃないこと多いからなぁ(笑)」
「えー、そんなことないですよぉ(笑)」
俺が1人で朝練している時に、いつも差し入れを置いていってくれる。
本人は隠れているつもりなのだろうが、俺は気づいていた。
だからだろうか、俺が努力している姿を知っているが大丈夫だと言うと、本当に大丈夫な気がするんだ。