第5章 想起3
優愛は家に帰ると体を伸ばし楽にする。
後から飛影も入ってきた。
「…怒ってる?暗黒武術会のこと」
「……」
飛影は黙っていた。
しかし怒っている様子は無かった。
「飛影、闘っている時かっこよかった!ミサンガを庇っているの分かったよ!あとその寝顔は可愛かった…よ?」
チラリと控えめに飛影の顔を除き込む優愛。
「……もう二度と」
下を向いて小さい声で言ったと思ったら
顔を上げて優愛の顔を真っ直ぐ見た。
「え?」
「…もう二度と危険な真似はやめろ」
「うん、ごめんね…」
申し訳なさそうに頷く
「あと…」
「?」
「…ミサンガ」
飛影の手首と右足首を見ると約束のミサンガが無い。
だが優愛はわかっていた。
「いいよ!いつでも作れるし…大体切れたてことは願いが叶うってことなんだよ。」
笑顔で言う優愛に目を見開く飛影。
「約束…だったろ…」
しかしすぐ目を逸らし呟く。
「…そんなものなくても飛影…私達もう約束できるでしょ」
我ながら大胆なことをいったなぁと照れながら言う優愛。
「!!」
その途端、飛影の心臓の音が高鳴る。
心が優愛に支配されるのがわかる。
嫌な感じじゃない、愛という感情に翻弄され戸惑うが
すぐに答えは見つかった。
俺は優愛のことを愛しているんだと…
溢れ出す感情に耐え切れず目の前の優愛を抱きしめた。
「!飛影!?」
驚く優愛を飛影は腕の中で深く優しく愛慕するのであった。
優愛もそれにこたえ、目を瞑り飛影に身を任した。