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promessa

第3章 想起1


飛影は幽助達と雪菜を救った後に蔵馬に声を掛けられる。

「あれ飛影それ…ミサンガですか?意外と洒落ついたところもあるんですね」

慌てて飛影は手首を隠す。

「何も隠さなくても…」

蔵馬はクスクスと笑う。

「誰かと何か約束でも?」

「貴様には関係ない」

そんな蔵馬に飛影は適当にあしらい去って行った。

人間との約束を交えるなんて自分でも気でも違ったかと思う飛影。

そして約束通り優愛の元へ行った。

ガラっと窓を開ける。


どうやら優愛は寝ていたようだ。
無理もない今はもう人間は寝てる時間である。

「ひ…えい?」

優愛は目をこすって飛影を見つめる。
大きな瞳で見つめられて飛影は思わずドキッとした。
月明かりが優愛の瞳をキラキラと光らせていて見入ってしまう。
動悸が高鳴るのを感じ、胸を押さえる。
なんなんだ一体この感情は…あたたかくてドキドキして心地よい。
飛影が佇んでいると優愛が不思議そうに首を傾げる。

「飛影?どしたの?」

「また来た…約束…したから」
小さく言って顔を背ける。
「嬉しい!」

急に抱きつかれてよろめく。
飛影が戸惑ってると優愛は幸せそうな顔で微笑む。

「でもこんな早く再会出来るなんて思っていなかったよ」

気が早すぎだったのだろうか、とにかく会いたかったのだ優愛に。
そう素直に言えたら心は晴れるのだろうか…と思う飛影。

「雪菜ちゃんは助けられたんだね!その様子だと」

体を離し、優愛は明るく言う。

「ああ」

「どうだった?妹との再会は!これからも一緒に暮らすの?」

「俺はあいつを見守るだけだ」

「雪菜ちゃんもそれでいいって言ってたの?」

「俺が兄とは言ってない」

「え!それで幸せなのかな…」

「いいんだ。こんな兄だと知ったところで雪菜は喜ばない、幸せとは言えんだろう」

「飛影…そんな自分を卑下しないで…」

優愛は悲しそうな顔をする。

「そんな顔するな…」

「!」

飛影は優愛の頰に手を添える。

驚く優愛に何故か飛影の顔は穏やかである。

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