第1章 再会の約束
空が夕闇に染まる頃
自分もその色にのめり込むように歩く。
「え?」
気が付くと目の前がいつもと違う光景になっていた。
夕方には変わりないがもっと空は黒く紅くおぞましさすら感じる。
目立った建物は無く山や森自然に溢れていたが空気はそんなに良くない感じがする。
「どうしよう夢の中なのかな?」
ゆく当てもなく彷徨う。
その時、目の前にえげつないものが現れた。
「人間かぁ?」
「え?」
化け物だった。不気味な表情で私を見る。
「こ、来ないで!」
叫ぶもそいつは襲い掛かってきた。
もう駄目!と思った時、金属音が響く。
瞑った目を開けると化け物の前に誰かがいた。
「貴様、煙鬼の言ったこと忘れたか」
そう低い声で妖怪に剣を向け言う黒い影。
妖怪は彼を見ると悲鳴を上げ逃げて行った。
「あ、あの…ありがとうございます助けてくださって」
「フン、別に…仕事しただけだ」
黒い影の彼は剣をしまうと私に近寄ってくる。
「ところでここ何処ですか?家に帰ろうとしたらいつの間にかここにいて…」
「お前みたいなのは珍しくない、すぐ帰してやるからついてこい」
「あ、はい。」
私は彼に付いていった。