第4章 恋人
「それともうひとつ……」
そう言って不二先輩の目が開いた。
あ、なんかきっと大事なことなんだろうな。
私はすぐそう思って唾をゴクリと飲む混んだ。
「五十嵐さんって越前の事が好きなんだよね?」
「?!?!ゴホッゴホッ」
思わず咳き込む。
なんで知ってるの?なんでバレてるの?
私はビックリして思わず何も言えなくなった。
「なんで……」
「見てたらわかるよ」
クスって笑う不二先輩。
いつもの優しそうな顔に戻る。
見ててわかる?私そんなにリョーマくん好き好きオーラでもでてた?
え、そんなわけないよね?
って私がずっと考え込んでると
「違うよ五十嵐さん」
そう言ってクスクス笑う不二先輩。
「え……?」
私は思わず黙り込む。どういうこと?って思って不二先輩を見ていたら
「僕が五十嵐さんを見てたら知ってるんだ」
そう言われた。
僕が私を見てた……?え、それって……もしかして私の事好きってこと?
急に顔が熱くなるのがわかる。
いくら鈍感でもわかる。
「五十嵐さん見てて面白いね」
え?からかわられただけ?
そう思ってショボーンってすると
「からかってないよ」
また目を開けて言う不二先輩。
どうして私言葉に出してないのに分かるの?
超能力かなんかなんだろうか不二先輩……
「そんな能力ないよ」
そう言ってまたクスクス笑う不二先輩。
なんでだろう。なんで私の事わかるのだろう。
過去の私がいた時もだ...。
ほかの人たちは気味悪がってたのに不二先輩は受け止めてくれた。
私が1人で怯えてる時も不二先輩が気付いてくれた。
私の王子様はもしかして不二先輩……?
リョーマくんだと思ってたのは私の間違え……?