第4章 恋人
私は桜乃ちゃんの家に居候する事になった。
桜乃ちゃんからリョーマ君の中学校の頃の話を聞いたり桜乃ちゃんが、どれだけリョーマ君が好きなのも分かった。
だから私は応援してあげるって笑顔で言うと
真っ赤な顔してありがとうって言うのが可愛くて諦めてよかったと思った。
チリリリン
朝の目覚ましの音で目がさめる。
隣には桜乃ちゃん。
夢じゃない、私はお姉ちゃんに始めて口答えをしたんだ…。
「おはよ紫苑ちゃん」
桜乃ちゃんは眠たい目をこすって挨拶してきた。
昨日は夜中まで話してたからお互い睡眠不足。
「おはよ桜乃ちゃん。私の事は紫苑って呼んでね」
そう言って微笑むと桜乃ちゃんも私も桜乃って呼んで!って言ってくれる。
初めての友達。
こんなに心が暖かくなるんだなって思えた。
準備をして学校に向かう。
桜乃と電車に乗る。
「あ、リョーマ君…」
桜乃はリョーマ君を見つけて赤面する。
もう周りから絶対片思いしてるってバレバレだよって思う。
「竜崎はよー」
そう言って挨拶してくれるリョーマ君。
やっぱりカッコいい。
リョーマ君と桜乃は2人で話し始める。
私の入る隙なんて無かった。
寂しいけど桜乃を応援するって決めたんだ一歩引かなきゃ大人じゃない私!
そう、言い聞かせて私は2人の話を学校に着くまで聞いていた。
テニスの事とか話されても分からない。
私はテニスなんてした事ないから…
「五十嵐さんおはよう」
へ?
「う!あ!お!おはようございます!!」
びっくりした。ぼんやり歩いてたからもう学校の近くなんて知らなかった。
なんで不二先輩いるんだろうって思ってしまったよ
1人であたふたしてると
「相変わらず五十嵐さん面白いね」
クスッて笑う不二先輩が目の前にいた。