第2章 「始まり」
~ガジル~
俺は、ミラドと共に元の場所に戻った。
そして、ミラドの部屋に、入りミラドをベッドの上にゆっくりと下ろす。
ミラドは、酷く震えていた。
それだけではない…………。
ずっと………俯いたままだった。
俺は、悔しい思いをしながらミラドの隣に座る。
歯を噛み締めながら………。
俺は、無意識にミラドの頭をゆっくりと撫でる。
その時、ミラドは弱々しく俯いたまま言った。
「………………ガジル………。人を殺すのって……………こんなに重いんだ………。」
「………………ミラド…………。」
ミラドは、急に顔を上げる。
ミラドの瞳には、涙が溜まっていて、俺は驚いた。
そして、ミカドは俺の胸倉を掴み声を張り上げる。
「ガジルは、何も想わないでいつも、平然と殺していたの!?」
「っ!?」
ミラドの言葉に、俺は何も言い返せなかった。
「ねぇ!答えて!ガジル・テレー!!」
ミラドの声は、とても震えていた。
「お、俺は……………。」
何故だが言葉が詰まった。
自分自身でもわからなかった。
ミラドは、やっぱり何も想わなかったんだね……。と言い悲しい表情をしていた。
(………俺は、何も想わないで人を殺していた?)
俺の頭の中は、疑問だらけで何も考えられない。
本当に、俺は人を殺してアクチみたいに、楽しめたのか?
違う、俺はただ単に………。
(ミラドに、負担を掛けない為に、やっていたんじゃないのか?)
俺の考えを左右するほど、何もわからない。