第5章 1-A
「〜〜……」
「だ、大丈夫……?」
「(大丈夫……)」
土曜日、心配そうにこちらを覗き込む出久くんにかすれ声でで苦笑いしながら頷き返した。
く、荼毘さんのスパルタぁ……
この数日は酷かった。
ご飯と寝る時以外、夜までぶっ通しの歌唱。
おかげで喉がやられてあまり声が出せなくて辛い。
これ私が歌えなくならなきゃ休日の今日も特訓だったたぶん。
こわい。
まさかあそこまで容赦なく個性調べ兼特訓させられるなんて思わなかった……もう一生分歌った……。
でもおかげで……というか私の喉と引き換えに、この“歌”の個性のことが少し分かった。
まず、この個性が発動すると真っ白の髪の色がパステルカラー程度に変わる。
黄緑は物の修復
水色は治癒
ピンクは任意の人の身体能力、個性強化
薄紫は任意の人の個性抹消
今のところ分かっているのはこの4つ。
同時に2つ以上の効果発揮は出来なくて、効果は歌う時の私の意思で変わるみたい。
つまり歌う歌はなんでもおーけー
ちなみに物質の修復をするために歌い始めた歌の途中で治癒したいと思っても、歌を途中で止めて初めから歌わないと効果の変更は出来ないこともわかった。