第28章 熱情の三日月(*)
朝食を摂ってすぐ、私はこんのすけに連れられ鍛刀部屋という部屋に来ていた。
何やら政府からのお達しらしい…。
まったく…家族が増えるのは嬉しいけど、何だが無理矢理連れて来ている様な気がする。
主「えっと…資材って、何をどれだけとかってあるの?」
こんのすけ「さあ…それは私にはさっぱり。貴女様は審神者で神力がおありなのですから、勘でおやりなさい。さすれば誰かしら鍛刀されるでしょう」
適当だな…おい。
私は溜め息を吐くと、自分の勘を頼りに資材を入れて念じると…数字が浮かんできた。
1:30。
主「えっと…全くと言って良い程、意味が分からないんだけど」
こんのすけ「此れは待ち時間ですな。一時間半後に、刀剣男士が鍛刀されるという事です」
主「へぇ…待ち時間…」
資材から刀剣男士を作り出すなんて、考えてもみなかった。
人間では無い存在、その事実を突き付けられている様な気がした…。
遠征に行ってくれた四人が持ち帰ってくれた多くの資材は、今回の鍛刀では減った事すら分からない程の量だった。
皆優しい…重かっただろうに。
不意にこんのすけが立ち上がった。
こんのすけ「では仕事も終わりましたし、私はもう行きますからね」
主「えぇ…私、一人で待つのぉぉ?」
不服だとばかりにこんのすけの尾を掴み唇を尖らせる私を振り切って、こんのすけは呆れた様に言う。