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私の本丸

第13章 帰ろう、私達の本丸へ




?「…騒がしい方ですね。どうしてこんな粗野な人間を、本丸に入れたままなのでしょう」


初めに口を開いたのは、髪がピンク色をした線の細い中性的な男性。


?「ですが…悪い気は、感じられません」


続いた彼は、雪の様な美しい長い髪を垂らしたキリッとした目元の男性。


?「審神者をまた信じろってのか?来派は懲りないらしい…俺は勘弁だ」


三人目は眼鏡を掛けた、勤勉そうで凛々しい顔立ちのショタ。


?「はっはっは、昨夜とは打って変わるお転婆様だな」


この声…。
!!!!!!!!


主「夕べのお月様!!」


ビシッと最後に喋った男性を指差した。
数人居る中で浮きに出る美しさを持つ、月の様な瞳を持った男性。


?「お月様?ああ、確かに俺は三日月だ…三日月宗近という。後で来派が御主を連れてくる手筈…だったのだが?」


キョロキョロと来派の姿を探す、三日月。
いや…っていうか私、先走った!?
そういえば、国行もほたるんも置いて来てしまった!


?「私は、江雪左文字。この二人は貴女から見て私の隣に居るのが小夜左文字、その隣が宗三左文字です」

主「江雪に宗三に…小夜ちゃん!か…可愛いっ」

宗三「お小夜に近付かないで下さい、僕はまだ貴女を信用した訳じゃありません」


そうだ…そんな簡単に受け入れられる訳が無い。
ふと見れば宗三の肩からは血が流れていた、見た途端私は血の気が引く様な感覚に顔を青ざめさせた。


主「…!?ちょ、宗三!なら、小夜ちゃんじゃなくて宗三になら近付いても良い!?」


慌てて宗三の元へ行けば、彼の前に正座した。
痛そうだ…着物に大きな染みを作る程の血。一体いつから、この痛みに耐えていたんだろう…。


宗三「何の用があるというんです?僕は貴女に用等ありません…っ!?な…にを…っ!?」

主「ん…っ…黙って」


私は迷わず宗三と唇を重ねた。彼の痛みが無くなります様に…ただ、それだけを願って。
広間に居る数人が刀に手を掛けたのだろう、カチャという金属音が重なり静かになった部屋に響く。
恐る恐る目を開けると、刀を今にも抜こうとばかりの刀剣男士達を制止するかの様に、凛々しい笑みを浮かべた三日月が手を横へと翳していた。

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