第65章 へべれけ(*)
~ * 其の後 宗三左文字 目線 * ~
全くこの人は、酒を飲んで男を誘惑するなんて…。
他の者にもしているのでしょうか…?
妬いて等やりませんよ、妬いて等…。
しかし、本当に危機感の無い人ですね。
本日来た彼等の事もそうです、貴女を騙し、陥れ様と企む刺客だったらと、どうして考えないのですか。
ああ…でも何故でしょうか、この腕に抱いた感触を思い返すだけで、胸が熱くなる。
あの時、この胸が苦しくなってしまったのは…きっと貴女を…。
宗三「分かっているんですか?そんな無垢な顔をして…」
眠りについてしまった主の身体を清め、服を着せる。
勿論、自分の身なりも整えた。
新たに敷いた布団に主を寝かせ、汚れてしまった布団は洗濯場に持って行った。
さて、そろそろ部屋に戻らないと…。
ふと、主の頬を一撫でした途端、服を掴まれ動けなくなってしまう。
宗三「甘えん坊ですね、今日の貴女は…」
自分でも驚く程の優しい声音で呟いていた。
仕方無い、そう嬉しい内心を隠す言い訳を呟いて、主の隣で眠りについた。