第65章 へべれけ(*)
宴会真っ只中の広間。
私は酒豪達に捕まってしまっていた。
次郎太刀、太郎太刀、日本号、陸奥守、三日月、小狐丸、小烏丸…という面子だ。
次々と酒を注いでくれるのだが、如何せん、そんなに酒に強くない。
っていうか、燭台切と歌仙が作ってくれたご飯を食べたいんだけど…。
お昼抜きだったんです、私、お腹減ってるんです!
次郎「ほら、もう空じゃないのさ!もっと飲みなよ、ほらほらぁ」
主「あ…ぅ…もうストップぅぅ」
杯から溢れそうな程、並々と注がれた酒を見るも、次郎太刀からキラキラとした期待の眼差しを向けられ…気合いで飲み干す。
しかし、次は満面の笑みを浮かべた小狐丸が前の席から腕を伸ばし、酒瓶を傾ける。
小狐丸「ぬし様、此方の酒もとても美味です。どうぞ一口…」
主「も…無理ぃ…」
あ-あ-、入れ過ぎだから。
それ一口じゃないからぁぁぁぁ!
すると、不意に陸奥守が私の皿に料理を盛ってくれる。
陸奥守「おんし、食うちょらんじゃろ?しっかり食わんと悪酔いするぜよ」
主「はぁぁ…むっちゃん好きぃ」
酔いが回ってきてしまったのだろうか?
舌がもたつき、グダグダな話し方になってしまう。
陸奥守に抱き付き、にへにへと笑っている。そんな私の腰を抱き、自らの方へと引き寄せたのは…三日月だ。