• テキストサイズ

私の本丸

第58章 内番




味噌汁の入った鍋をおたまでかき混ぜる物吉の背に抱き付いて、まるで子供の様に声を掛ける。


物吉「ふふ。では主様、お味噌汁の味見をお願いしても良いですか?」

主「味見するする-!」


そう返答すれば、物吉は小皿に味噌汁を注いで差し出してくれた。
その小皿を受け取って、口を付け一口で流し込んだ。
優しい出汁の風味と、丁度良い味噌の塩味が味覚を刺激する。


主「美味しい!!これは…いりこ出汁?すっごい出汁が効いてて美味しい!!」

亀甲「じゃあご主人様、この玉子焼きの味見もお願いして良いかい?」

主「もちろん!」


箸で玉子焼きを一切れ掴み、口元へ運んでくれる亀甲。何だか照れてしまうが、何故か亀甲には癒され感の方が勝る。
そして口を開いて玉子焼きを受け取り、咀嚼する。
玉子焼きの中には、いんげん豆と人参が細かく刻まれ入っていた。


主「美味しい!!見た目もカラフルで可愛いし、はうう…お昼ご飯が待ちきれないよ~~っ」

物吉「じゃあ僕達も頑張って、早く仕上げちゃいますね!」

亀甲「ご主人様は広間で待っていてくれるかい?」

主「え…手伝わなくて良いの?」

物吉「そんな、主様はゆっくりしていて下さい」

包丁「そうだぞー、主は俺達と遊ぶんだーっ!」

主「わーわー!ちょ、引っ張らなくても行くからぁぁぁっ!」


突然厨に現れた包丁に手を引かれ、広間へと連れて行かれたのだった。

/ 335ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp