第55章 夢現
主「亀甲!」
亀甲「待っていて、必ず帰るから!また、ご主人様に椅子として活用して貰わなくては…ね?」
そう言ってウィンクする彼は、きっと私を励まそうとしてくれているのだろう。
きっとそれだけ…多分。
主「待ってる!もう椅子でも机でも何でもしてあげる…だから、必ず帰って来て!」
亀甲「愛しているよ…ご主人様」
優しい笑みを浮かべ、亀甲は最後に愛を囁いた。
その言葉を聞いた瞬間、辺りが真っ白になり私の意識が鮮明になる。
優しく髪を撫でてくれる手の感触に気が付いた。
突然、月の光の様な優しい声が降り注いだ。
三日月「もう、泣かずとも良い」
主「……っ」
やっぱり、全て分かっている様な口振り。
でも、それが何処か安心する。
苦手だけど、何よりも安心する……矛盾してる。
主「三日月…」
三日月「ん…?」
主「大好き!」
そう言って、まるで子供の様に三日月の腰に抱き付いた。
三日月「はっはっは、俺も好いているぞ」
その声が心地好くて、私は暫くの間三日月に抱き付いていた。