第47章 噂の兄弟
~ * 噂の兄弟 * ~
小夜「大丈夫かな、熱があるのに…あんなに仕事して」
宗三「全く無茶ばかりして…また倒れたりしたら、一体どうするおつもりなんでしょう」
江雪「主様は、私達をお守り下さっているのですよ…」
名前がパソコンに向かい仕事をしている姿を、左文字兄弟は審神者部屋の襖を僅かに開き、名前の背中を静かに見守っていた。
陸奥守「和泉守、ありゃあ何しゆう思う?」
和泉守「ああ?あれは、襖の修理?いや…彼奴ら何してやがんだ?」
通り掛かった二振りが不思議そうに足を止め、左文字兄弟を見て話す中…兄弟はぴくりとも動かずじっと審神者部屋の中を見詰めるだけ。
其処に通り掛かったのは…。
堀川「あ、兼さん!陸奥守さんも、こんにちはっ。二人共、こんな所で何してるの?」
笑顔で和泉守に歩み寄った後、陸奥守に向き合って頭を下げる。
普通の声のトーンで話す堀川に、和泉守は焦った様に人差し指を立てて自らの唇に添えた。
和泉守「しーっ!静かにしろ、堀川。あれだ、あれ…お前は彼奴らが何してるか分かるか?」
和泉守の問い掛けに、堀川は暫し左文字兄弟をじっと見詰める。
そして何かを思い付いた様に左手の手のひらに右手の握った拳をポン、と打ち付けた。
堀川「主さんの着替えを覗いてる!なんて、そんな事ある訳な…」
和泉守「それだ!!」
陸奥守「何じゃ、まっこと羨ましい事しゆうにゃあ」