第43章 共有(*)
主「優しいのは山姥切君だよ」
山姥切「…っ…優しくなんてない」
照れてしまったのか、そう言って背を向けてしまう。
山姥切だけじゃない。皆、優しくて良い子ばかり。私の、大切な家族だもん。
歌仙「さて、主。此れを厨に仕舞うのを手伝って貰えるかい?」
主「おっけー、任せろ!」
燭台切「ふふ、主が変わらずに居てくれる事が…こんなに嬉しいとはね。本当に安心するよ」
そして私は、燭台切と歌仙と共に台所へ向かった。
主「これって…此処で良い?」
魚や野菜を冷蔵庫に次々と仕舞いながら、私は問い掛ける。
歌仙「ああ、そんな雑にしてはいけないよ。後の物が入らなくなってしまう」
主「あ…ぅ、ごめん」
私は、果たして手伝えているのだろうか?
二人の邪魔をしているだけじゃないのか?
主「はあぁぁぁぁぁ…」
自分のあまりの無能さに、大きな溜め息が出る。
燭台切「…どうしたの?」
不意に壁へ追い詰める様に、壁に手を付け耳元で囁く燭台切。
さっきあの審神者にされた時とは打って変わり、ドキンと鼓動が跳ねる。
こ、これが俗に言う壁ドンというヤツですか!?初壁ドンがこんなイケメンなんて、鶴ちゃんじゃないけど…驚きだな、おい。