第34章 黒バスキャラと一緒に夏祭り行ってみた。
ー氷室ー
辰也との夏祭り。
集合場所に向かうと女の子達に囲まれてる彼が。
『…色男め。』
辰也は何も悪くないけど、嫉妬心から思わず八つ当たりをしてしまう。
小さく呟くと、その声を聞いていたかのように私を見つける彼。
「一花、そこにいたんだね。浴衣、似合ってるよ。」
女の子達を掻き分け私の元に駆け寄ってくれる。
『いいの?…あの女の子達。』
可愛くない私はそんな言葉しか出てこない。
でも、そんな私を優しく抱きしめ
「こんなに可愛い彼女を放って遊ぶほど野暮な男じゃないよ。」
ーそうやって耳元で囁いた。
ー紫原ー
りんご飴に綿菓子、チョコバナナ。
あらゆる甘味を持って歩く彼はさっきから注目の的だ。
『美味しい?』
「うん。」
ずっと食べ物に夢中の彼。
…なんだかつまらない。
食べ物に嫉妬なんてみっともないけど、妬かずにはいられなかった。
「一花ちん。」
『…どうしたの?』
「ここくしゃくしゃになってるよー?」
そう言って私の眉間を撫でる。
そのまま顔がぐっと近づいて
「一花ちんのことも食べちゃおうかなー。」
ーそのまま彼と甘いキス。
ー高尾ー
「こっち来て。」
和成に手を引かれて人混みから外れる。
そのまま二人で林を抜けると、誰もいない特等席があった。
『へぇー、こんな所あったんだ!』
「この前見つけたんだよ。これでゆっくりできるな。」
『そうだね。』
和成と手を繋ぎ花火が打ち上がるのを今か今かと待つ。
「なぁ、一花ー。」
『んー?』
振り向くと重なる唇。
「ごめん、我慢できなかった。」
ー赤い舌を出して笑った彼。
ー黄瀬ー
『わぁー!綺麗!』
打ち上がっていく花火。
それを涼太の横で眺める。
「ほんと、来てよかったっスね。」
そう言って微笑む涼太。
その笑顔をなんだか閉じ込めておきたくて、涼太の袖をギュッと握る。
「ん、どうしたんスか?」
『別に、…好きだなーって思っただけ。』
勢いでそう言うと、涼太がグッと顔を近づけ悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「もう1回言って?」
ー花火に紛れた秘密の会話。