第2章 口減らし
私がこちらの世界で
生まれ変わって早6年
一応それなりに成長したものの
兄姉に比べて食が細く
食事にかなりの時間を要した
食べてる間に
おかずを横取りされる事も多かった
家はそこまで裕福ではなく
末子の私含めた6人の子供を
たらふく食わせてやれるほど
親の稼ぎは良くなかった
まして前世のように
学校に行けるはずもなく…
話せても文字を読み書きする事は
家族皆、誰にもできなかったのだ
前世の時の記憶があるおかげか
私の知識欲は凄まじいもので
よく両親に本をねだったが
勝ってもらえた試しは無い
いい子にすれば
いつか買ってもらえるかも知れない
淡い期待を胸に
今日も親の畑仕事を手伝うのだった