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薬屋の譫言

第1章 転生


代わり映えのない毎日を
生薬の香りのする薬屋で
淡々と過ごす

亡き曾祖父が始めたこの薬屋を
祖父が引き継いだものの

私が高校生の時
祖父の後を引き継ぐ筈であった父は
母と結婚20年目の祝いの旅行先で
事故に遭い、二人一緒にこの世を去った

それから私は祖父母に育てられ
大学で生薬の研究をしつつ
薬剤師の資格を得て
卒業した今は祖父と二人で
薬屋を切り盛りしている

祖父は薬の事になると
とことん厳しくなる
調合を間違えた時には
怒鳴られる事もある

それでも
どんなにつらくても
食らいついた
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