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呑み込んだ言葉のお話 ( R18 ) ハイキュー

第1章 まず浮気をされた話


岩泉side


あれから1年が経つ

当日中学3年だった俺達は無事卒業
青葉城西高校への進学も決まった

沙奈と及川が別れた話は瞬く間に広がり
色めき立つ声が今度は3ヶ月は止まらなかった


妹のように沙奈を
可愛がっていた花巻は
当時熱を出した程だったし


男共に声をかけられる沙奈を見て
及川は悲しそうに目を伏せていた





及川と笹川は不思議なことに付き合う様子は無く
俺と及川の気まずい雰囲気も

『私が1人で教室に入ったのは
はじめ先輩と徹先輩の仲を裂きたくなかったからです
だから、せめて、前と同じ関係でいてください』




という沙奈の一言から徐々に元に戻っていった




俺達の恋愛模様の戯れ言は
どうしたってこの話に戻らないといけねえ

俺はいつまで経っても
あの冷えた廊下で響いた及川の声や
あの時に微笑んでいた沙奈の顔を忘れられないだろう




かといって及川が 、

クソ川が、

糞で最低な行為をしたと分かってはいても




どうしてもあの馬鹿を嫌いにはなれなかった




きっと俺も

そして及川や沙奈や、笹川でさえも

色んな気持ちを持っていたんだと思う

そんな複雑な気持ちが交錯した中学時代だった





まだ餓鬼だった俺は
正解を見つけることなんて出来なかったから

ただ時間の流れに身を任せて
沙奈と及川が完全に離れる

〝 及川の卒業 〟

という日を今か今かと待ち望んだ





卒業式

筒に入った卒業証書を片手に
やっといろんな奴に平穏が訪れるんだと
このざわめきから解放されるんだと

そう、信じていた





だがまだ俺達の恋愛模様は

終わってなんていなかったんだ




泉 沙奈





どうしようもなく美しい彼女に
俺や、俺達や、あの烏共や猫共も巻き込まれていく




高校3年生になったあの1年間を
俺はずっと忘れられないだろう
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