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氷華血鎖【鳴門】

第18章 一部・逢引


『………』



-もぐもぐ-



そんな事を考えて苺大福を頬張りながら目の前に座るイタチさんを見る。彼はかなりのポーカーフェイスだけど茶屋の三色団子を幸せそうに食べる。感情なんてあるのかってくらいのポーカーフェイスだけど、お団子を食べてる姿は心底幸せそう。



『………』

「…何だ」

『いやね、お団子を頬張ってる姿が可愛いなって』

「………」



そう言ってみると少しだけ頬を赤らめて視線を泳がせる。その素振りが更に可愛くて、あぁこんな可愛い部分もあるんだって思うと余計に可愛く見えて頬が緩む。



『イタチさんってこの二年で可愛くなったよね』

「………そんな事は無い」



と、すっと伸びてきた長い指がアタシの口の端をなぞる。



『!?』

「…餡が付いてる」



ぺろり、とアタシの口の端を拭った指が餡を舐める。その仕草にぶわっと集まる熱を隠す為に、ただただ伏せるしか無かった。





※※※





「あー…だり…」



あれから半日以上。アイツが言ってた村なんてものは見付からないし湯の国で一番の繁華街で聞き込みしても"村があるとは聞いた事があるけど実際に行ったことがない"とか曖昧な答えをする奴が七割で"知らない"が二割半。残りが"ある"と言うので確かな情報は得られず悶々とするだけに疲れて目に入った茶屋で休憩をとる。



「んまぁ!」



みたらし団子を10串頼んで頬張る。因みに兄者は別行動で山を探索に行ってる。帰りは兄者に草餅10串買って帰ろう、そんな事を考えながら店内を見回すと、とあるカップルに目が行く。大層整った容姿をしている黒髪の男とテーブルに伏せった白銀の髪を持つ女。
その白銀の髪を持つ女に心臓が騒ぎ立てる。



「………」



落ち着け。銀髪の人間なんてそこらじゅうに居る。つーか女は何で伏せてんだ?泣いてんのか?喧嘩か?あまりガン見するのもアレだから茶を啜りながら横目で見ていると、男は僅かに口元を緩めて伏せている女の頭に手を伸ばそうとする。んだよ、んなところでイチャついてんじゃねーぞ。と思った瞬間。



-ガヤ-



数名の団体が店に入ってくる。額当てをしてる事から湯隠れの忍だろう、とカップルの方に視線を戻すとこの一瞬で姿が消えていた。




















→to be continued.
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