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氷華血鎖【鳴門】

第16章 一部・再会


あの夜の会合から三日が経過した昼下がり。退治に派遣されたのは小南さん、角都さん…そしてイタチさんの三名。小南さんはリーダーと一緒にたまーに遊びに来てくれるからちょくちょくお会いしてる。角都さんとイタチさんは、もう二年くらいは会ってないだろう。



『………』



見晴らしの良い丘の上に建てたビニールハウスの薬草栽培場で薬草達の手入れをしながら、ふと考える。
元気にしてるだろうか。体調とか崩してないだろうか。文くらいくれても良いのに………って別にそんな関係じゃないけど。でもほら、やっぱり心配って言うか。



『………会い、た…』



は?会いた…何?アタシ今何言おうとしてた?いや、多分そろそろ殺人鬼の退治にこの国に入ってるハズだから会いに行こうと思えば会えるかもしれないけど…待って。これじゃあアタシがイタチさんに会いたいみたいじゃない。やめやめ、考えるのやめ!



-ひらっ-



そんな葛藤を一人でしていたらヒラリとビニールハウスに蝶が入って来る。おかしいな。このビニールハウスで栽培してる薬草達は危険だから結界が張ってあるハズなんだけど…と考えてるところで小南さんがいつも連絡して来る紙の蝶だと分かり納得する。この紙はアタシ目掛けて飛んで来てるから結界すり抜けて当然な訳だ。



『あ、村に寄ってくれるのね』



お茶の用意をしなきゃ。そこで一枚の蝶に紙が四枚重なっている事に気付く。いつも寄ってくれる時は紙が二枚重なってる…と言うのも、いつもリーダーと二人で来るから分かりやすく二枚重ねてるのだと言っていた。四枚って事は四名?小南さん、角都さん、イタチさん…と考えてもう一人は誰だろう?



-ぼふん-



取り敢えず影分身を出して弟妹にお茶の用意をしとく様に使いを出す。早く手入れ終えてアタシも戻らなきゃ………ってイタチさんに会える?



『うわ、どうしよう。髪の毛とか乱れてないかしら』



無意識に身嗜みに気を使う自分が居るのに気付かなかった。





※※※





「小南姉、イタチ兄、角都おじいちゃんいらっしゃい!」

一同「………」



村に入るなり出迎えてくれたのは大分大きくなった双子の片割れ…弟であるトシだった。子供と言えばまだ全然子供なのだが少年らしく成長している。



「この兄ちゃんは誰?」

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