• テキストサイズ

氷華血鎖【鳴門】

第15章 一部・二年


今日の天気は快晴。
そんな日はいつも修行と言う名の遠回りをして帰るんだけど、今日は真っ直ぐ急いで帰る。理由は簡単。昨夜から姉様が村に帰って来てるから。ここ二年くらい定期的に仕事に出てる姉様は村に居る時居ない時が半々。一週間居ない時は帰って来たら一週間は居る。今回は一ヶ月帰って来なかったから一ヶ月は村に居るハズだから、みっちり修行を付けてもらう予定。



「そろそろ氷遁、教えてもらおーぜ」

「まだ早いって言われそうだけど」



山の木々を飛び伝ってトシと会話をしながら村までの帰宅道を急いでいると、ふと見覚えのある装束を身に纏ってる人を見掛けて踏み止まる。



「マツ?」

「トシ、あれ」

「………あ、サソリのおじちゃんだ」



確か一度だけ会った事がある、お人形を動かすのが上手なおじ様。尻尾みたいなやつで誰かを運んでる。金髪の見た事の無い人。
トシと顔を見合わせて木から飛び降りる。





※※※





『よし、と』



一ヶ月ぶりに戻って来た村は相変わらず平和。一軒一軒、様子見がてら診察に回ったけど皆全然元気な健康体で安心した。
村長になったミツさんには何かあった時の為に直ぐアタシに伝わる様に信号が送られる術を教えてるけど、まぁこれだけ平和なら心配は必要無さそう。



「「姉様ー!/姉上ー!」」



バタバタと慌しくアカデミーから帰って来た弟妹も不安事を感じさせないくらい元気に育っている。その成長が嬉しい親心…って言っても姉だけど。



『お帰り二人共。今日の学校は…』

「大変なの!怪我人なの!」



と弟妹が連れて来たのは暁の一員であるサソリさん。この人が此処に来たのは初めて。傀儡の尾にはつい最近、暁に加入したデイダラ君を巻き付けていた。



「久しぶりだなチヅ。ちょっと此奴を診てくれ」



荒っぽく投げ付けられたのを受け止めて様子を見る。外傷は無いが意識を失っており顔面が蒼白。



『毒?』

「敵の術を吸い込んだ」



抱えたまま庭に回って縁側に寝かせて医療忍術を施して毒の成分を分析する。一点集中型の毒か。



『トシ、水組んで来て』

「はーい」

『マツはコレとコレの薬草を摘んで来て』

「はーい」



ちゃっちゃと指示をして肺に付着している毒を抽出する作業に入る。



「随分と成長したな」
/ 222ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp